商品は3つでいい。


霧がかかっていく様子

今日、静岡県小山町の須走(すばしり)に朝から行ってきました。周囲の山があっという間に霧に包まれていく様子を携帯でとったのですが、写真では伝わらない部分が多くあります。商売も同じで、あっというまに霧に包まれる事があります。何度も書いてきましたが、このアパレルという業態の中で特にメンズは大手から始まって殆どの会社が苦戦しています。苦戦というよりも、出血が止まらないといったほうがいいかもしれません。

周囲を見渡せば、低価格の商品を製造している会社が商品の見栄えや流行の押さえどころが上手くなった事。加えて、着るものをすでに沢山持っていて昔のように必要に迫られた需要が低迷している事など沢山の事が挙げられますけれども、誰も「自分の会社の中に見つめなおす事がある」とは言いません。

僕はそこの部分を真剣に毎日考えています。僕の理論は「温泉まんじゅうの理論」といったもの。まず、店の中で自ら作り出せるものを主として構成を考えます。例えばダッフルコートが作れるのならダッフルコートの専門店。それ以外は置かないという所から、見に来るではなく買いに来る店になるのではないかと考えています。

エルメスなどのスーパーブランドも創業時は家内製手工業でした。温泉まんじゅうもそうです。そして、それしか売っていないのにも関わらず午前中で売り切れてしったりする店も少なくないでしょう。世の中には沢山のブランドやメーカーがありますが、地方の店が真剣に取り組めば取り組む程自店のファンではなく、そのブランドやメーカーのファンを作る事になります。

取引するにはミニマム金額があったり、ミニマム数量(最低発注しなければならない数量)があったりしますが、沢山発注しても全てを揃える事が資金的に難しくなります。そこで考えられたのがセレクトショップです。ブランドの良い所だけを仕入れ、沢山のブランドで構成し、その品揃えに対する共感でファンを作る方法です。

僕の目指している事は、持続可能なデザイン体系(農業などで言われるパーマカルチャーの考え方)です。ですから、本当に現在までは品揃えを多くしてきましたが自らが得意な分野だけでやっていく覚悟を決めた訳です。

家内製手工業である事は、ある意味現代の強みともいえるでしょう。何故なら、値段の高いセレクトショップと、価格が安く売られている全国的なチェーン店の製品の差がわかりにくくなっているからという事、そして後者は大きなロットで生産する為、テキスタイルや素材開発が容易である事。この両面を考えると、価格が安く高品質で機能素材となると前者が勝てるのは「感性」という部分だけになってしまいます。

冒頭の話に戻ると、霧はどこからともなく現れて、あっという間に山を視界から隠してしまいます。アパレルだけではなく、多くの物販に携わる方々が今感じているのは霧が迫っているという恐怖ではないでしょうか。昨日お話させて頂いた方は、元々洋服屋を数件経営されていたそうです。過去の業績ややってきた事に拘れば拘るほど身動きは難しくなるでしょう。それは僕も同じです。

何千とある商品をたった3つに絞るのですから、勇気も必要になるでしょう。しかし、人間は外側ばかりが気になり、外側を変えようとして外側で行動し、そして外側を自分のいいように考え、その結果自分が苦しむ事になってしまいます。答えは自分の中にしかなく、自分自身を見つめてこそ周囲も変化するのだと僕は思っています。自分を信じてやる以外道はありません。

温泉まんじゅう店の理論をアパレルで使うには、アパレルを熟知しつつ今の自分がどんな立ち位置にいるかも考える事になるでしょう。そんな事を考えつつ、生活や商売、やりたい事がシンクロし合うような新しい事をノートに少しずつ書き留めています。


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